毎日のようにどこかで定期交換会(業者競売市場)が開催されている。
たとえば以下のような感じで展開される。
それぞれの地域の有力な業者が会主(主催者)となって、
ホテル、旅館、催事場などを会場とする。
早朝、次から次へとやって来る大型車に満載の出品物を会場へ搬入する。
下見ができるように陳列し、午前10時に開会。
器物などの道具類は『もろぶた』に入れて流し、順に競り台に載せられる。
掛軸の場合は、下見ができないことが多く、
赤毛氈(レッドカーペット)に広げられた作品の作者、真贋、状態、表具、価格などを
瞬時に判断しなければならない。
高額の落札が期待できる名品が出品されると、
発句が切られる直前、一瞬の静寂があったりする。
買い手の目論み、売り手の期待や不安、
誰が声をかけるのか、発句はいくらか、駆け引きもある。
品を見定めた競り人の発句が切られる。
四方八方から買い手の威勢の良い声が掛かる。
金額が上がるにつれて競り人の声は迫力を増す。
意地の張り合いとなって金額は跳ね上がる。
期待や想定を超えた高額落札ともなれば拍手喝采となる。
落札者は興奮を表情に出さない。
高揚感やら達成感やらに浸る場合もあるが、直後、我に返り、不安がよぎることもある。
お断りしておくが、私は拍手喝采を受けるような超高額品を落札したことはまだない。
夕刻、すべての品が競り終わると閉会となる。
帳場にて清算し、荷倉で落札品を受け取る。
良い仕入れができた時は、広げてみたい気持ちを堪えて帰り支度をする。